「ギリシャ正教」

キリスト教に造詣の深い友達に気になっていることを尋ねた。
チェコオロモウツ市にギリシャ正教の教会が賑わいから外れたところにひっそりと建っている。
宗教のお陰で大変不幸な歴史を経た国だと私は思っているが,この正教教会については地元の人は無関心だ。

一次大戦後にチェコスロヴァキアとして独立を果たした後,その前まではカソリック一点張りだったオーストリア帝国支配下にあったが,宗教論議があったそうだ。
もともとはギリシャ正教チェコランドに最初に入ってきたから,そのイメージも大切だし,
欧州で初めて宗教改革を勇気をもって訴えた為に火あぶりの刑で殺されたヤン・フスというパイオニアの後継者がフス派を興したが,そのフス派についても名残がある。
さらに,長いあいだハプツブルグ家に支配されていてカソリックの影響も強い。

その後また共産圏に組み込まれてしまって,宗教はイデオロギーのために無視されてしまった。

さて,オロモウツ市のギリシャ正教の教会だが,
社会主義時代に入り,特にソ連軍のプラハ侵攻で知られる1968年以降ロシア人がたくさん教会に集まったそうだ。オロモウツには大きな軍隊が昔からあって,社会主義時代はロシア軍が駐留した。
共産党の影響で)宗教に冷淡なはずのロシア人が,大挙して正教教会に通ったことはオロモウツ人の驚きだった,という話だった。

今はもうロシア軍はオロモウツにはいない。