「消火の守護聖人」

むかしローマの軍隊に消火班があった。フローリアンという偉い男は消火活動にとても積極的だった。むかしはどこでも火事というのは頻繁に発生した。
チェコでも聖人となったフローリアンの像が時々見られるし古い絵画にも登場する。
日本語に守護聖人というのがあるかどうか知らないが,守護神という単語は使いにくい。というのはキリスト教一神教だから,キリストの次に偉いのは聖人だろうと私は思う。それで,フローリアンの守護聖人と私は訳しておく。

聖三位一体コラムは世界文化遺産だが,ほかの世界文化遺産と比べるとずいぶんと小さなものだ。だがキリスト教文化を基礎とする欧州では,その宗教にまつわる遺産には私など無宗教の無骨者には理解できないほどの尊い意味があるようだ。

さて,このバロック調の文化遺産の完成は1754年のことでバロック全盛期だった。
というだけでは,如何に苦労して造営されたか理解できない。
数十年に渡り建造されつづけたわけだが途中で戦争がおこったり病気が蔓延したりして本当は困難な時代だった。オロモウツも何回も大火にあっている。

それで,消火の守護聖人は尊敬されつづけたのだった。
いつもそうだが,バケツを持って空から消火する姿で描いてあるか又は石膏像に造られている。