「チェコ日記」[お土産]

チェコの世界文化遺産

自分が慣れ親しんでいる所を新鮮な目で観察してもらうと面白い,という事がある。

初めての欧州旅行という人と,チェコは初めてという人を案内して,二人が驚く場面に多々出会った。

[ビール]
チェコビールの美味しさと安さにまずビックリ仰天されていた。
そして,マエストロというビールには参っていた。

エストロはグラスに注ぐと泡が綺麗な模様を描いてグラスの底に向かって広がる。夜であれば光に反射してキラキラと輝くほどだ。
グラス全体が泡で真っ白くなる。
しばらくするとビールの上に泡が集まる。
それを眺めるだけで楽しくなる。

その泡というのが,きめ細かくスムーズで泡というよりもウイップ・クリームと表現するほうが良いだろう。美味しいクリームなのだ。
砂糖を加えれば,ウイーン・コーヒーのクリームと同じ味になるのではないかと思われる。

エストロ・ビールの味が格別なのは当然で,チェコビールを褒め称える人は多いが,マエストロを味わってからチェコビールを語るのが正しいだろうと思う。

「お土産」
エストロは商店には販売されていない。ビール缶もグラス物もないから土産にすることは出来ない。
お二人が土産に選んだのは,何と,一回分に小さな箱に入った蜂蜜とスプレッド・チーズだった。
これを大量に注文した。それと蜂蜜ケーキ,二箱づつ。どれも土産に最適な日本人好みのものであるのだが...
宿泊したシグマホテルのレストランのマネジャに頼んでおいて出発前日に渡してもらった。

もう一つお土産にしたのが,オロモウツ・チーズだった。これは外で購入した。
オロモウツチーズの代表的な料理は唐揚げとスープに入れる方法だ。
どちらも餅のように粘っこくなる。少しにおいがきついが慣れると美味しくなる代物。
オロモウツ・チーズはそれだけの為の博物館があるほど有名な産物。


お二人にはそれ以上の品物を紹介できなかったが,もう一つお菓子で日本人好みがある。
それはラクヴィチュカと呼ばれるもので,日本にも似たものがある。
こちらは黒砂糖ではなくて白砂糖を使うが,色だけ違っていて日本の黒砂糖に似ている。
そのラクビチュカにウイップクリームを乗せて食べるのがこちら方式で,ウイップクリーム付ラクビチュカと呼ぶ。
日本への土産にはウイップクリームはぐちゃぐちゃになるのでお菓子部分だけ購入しなくてはならない。


妻の好みなので,帰国は十日後だが私は一箱注文した。
帰国したら私がウイップクリームをたくさん作ることになる。