聖人フローリアン

 フローリアンはイタリアの伝説で、軍人であったが火事の消化にことさら熱心であった。むかしは火事は日本と同じくどこでも頻繁にあったから、火事の消火は大変重要な仕事だった。いつしかフローリアンは消防の聖人として崇められるようになった。水をためた桶を持っていて天空高いところから、その桶を傾けて水を少しまいている姿として像になったり描いてあるのがふつうだ。ここのフローリアンの木彫は細かい芸となっていて、地上に燃えさかる家までつくられている。フローリアンというのはその様に作られて飾られているのですぐに分かる。オロモウツの聖三位一体碑の聖人石像群のひとつもこの聖人フローリアンだ。

 木造家屋が左右にならんでいる坂道を登りきって最初に気づくのがブリアン博物館だ。この博物館の館長はながねん画家ブリアンの研究をしていて詳しい。外国語に訳されたブリアンの画集などもあるが残念ながら日本語のものはもっていない。日本語に訳された一冊は別の町リープニック博物館のショーケースに飾られていたが,「化石がかたる太古の地球」というタイトルで表紙に大きなマンモスの絵が描かれたものだった。