6月17日

かれんな花

 土曜日の今日早朝,わがご婦人方はハンガリーは憧れの地ブダペストへ一泊旅行に出発した。前夜ホテルのレストランに頼んでいた朝食ボックスを携えて地元の旅行代理店が企画したチェコ人向けのツアーに参加したのだった。ホテル脇の大通りに停車する観光バスである。朝飛び起きてもホテルから一分の所に停車するバスはしごく便利なのである。それにブダベストだけならばオロモウツから日帰りツアーでじゅうぶん観光と温泉体験ができるのだが,一泊すると,ブダペストで野外の大温泉で泳ぎながらまわりのお城をながめるのはもちろん,数々の観光スポットに立ち寄るという豪華なツアーとなる。

 あとでこのツアーの楽しい土産話をきいた。案の定というのか日本にはない環境と雰囲気での温泉は大好評だったし,とくにスロバキアの歴史ある観光地を巡ったのも嬉しかったそうだ。

 だが,早朝出発の時,この地元の旅行代理店とプラハの別の代理店との共同企画のためだろうか,観光バスの運転手が,シグマホテルの脇から乗り込むわが日本女性たちのリストを受け取っていなかったので,乗車を拒否されたというストーリーには度肝を抜かされてしまった。日本語通訳としてヤロさんも参加してもらっていたから,彼がすぐ旅行代理店経営者の携帯電話に連絡,事情を説明して,乗用車数台で南に向かっていた観光バスを追いかけて乗り込むことができたのだった。私の知らぬ間に起こった騒動は朝の4時半過ぎのことだった。

 産業が発展初期にある国ではどこでもそうなのだろうが,チェコもほんとうのことを語ると仕事をするにも何をするにも難しさが伴う。よほど大きな会社でない限り,経営者自身がすべてを陣頭指揮するし自らも外にでて営業活動などをする。経営者が外出しているときにはその会社とのコミュニケーションさえ上手く運ばれない,というのが一般的だ。だからチェコで仕事を始めようとするのは困難さがつきまとうわけである。
 この旅行代理店の経営者にはその後日この失態についてクレームをつけた。言い訳を重ねて謝らないのは多くの国の商売人に共通している。だから,私の方の反省ばかりが多くなってしまった。


 ともあれ,信頼できるチェコ人の友達を通訳として参加してもらっていたから,何とかツアーを予定したとおりに楽しんだ日本女性たちだった。事前に計画を練って手配、遂行する私の苦労はヤロさんのおかげで報われた。


 今日は私は一人のんびりと過ごすことに決めて,友達の会社においてあるコンピュータを操作した。会社は土曜日には休みだが何人かは働いている。友達のミハルに子どもができるがお父さんの誕生日と同じに日に生まれる可能性があるといってこの上なく幸福そうだった。ホンザには気にかけている近くの町でのマンモス遺跡発掘調査の結果を尋ねたがいまだだれも知らないという。
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