映画「ジャイアンツ」

ジャイアンツ」をみる。
1956年米国製の映画は素晴らしかった。
テキサスの大牧場を経営する男に東部育ちのお嬢さんが嫁入りする。
東部出身の女性にはテキサスは遠い外国のようだったが,奴隷のような待遇を受けているメキシコ人労働者に同情する。
ブタの丸焼きに気絶する。

「奴隷」
ジェームズ・ディーン演ずる労働者は牧場主に反抗的態度をとり続けていたが幸運にも土地を与えられた。
男はその土地で石油掘削を続けた。遂に大油田を掘り当て大富豪になって米国中の著名人を集めて大パーティーを開く。
が,石油成金はパーティーの場で酔いつぶれてしまい大失敗の集まりの後,一人で悔し涙を流したのだった。
いくら成功しても,むかし奴隷のようにこき使われた生活を呪ったのだった,悔しかったのだ。

「メキシコ」
大牧場主と東部出身の女性(エリザベス・テイラー)の夫婦仲は紆余曲折するが息子がメキシコ女性と結婚して混血の子供が産まれたので,男は人種差別に腹を立てるようになった。
メキシコ人を差別する男と喧嘩をして殴り倒されてしまった。

メキシコ人のために喧嘩をして倒れた自分の夫を見直してハッピーエンド。


この大がかりで雄大な映画の背景は意味深だ。
メキシコからだだ同然で広大な土地をせしめた白人がメキシコ人をこき使っていた。
白人達だけは豊かな生活をする。
時代は変わりテキサスは石油発掘で大牧場とは比較にならない大富豪が生まれた頃の物語。

今にも続く米国の恥部が背景に横たわる映画だった。

エリザベス・テイラーの厚化粧は女優だから仕方ないのだろうが老けていくにつれてそれなりに化粧を変えていくという技術はまだなかった時代なのだろう,中年以後の顔立ちは綺麗ではなかった。

ジェームズ・ディーンの反抗演技は実に上手い。