ブリアン

 旅の記録に戻ろう。「ブリアン博物館」ではかれの作品の展示はもちろんのこと,親友であった映画監督のカレル・ゼマンとの友好関係やゼマンとフランス人作家との共同作品などについて知ることができる。日本では「前世紀探訪」の映画監督の方が知られている。ブリアンの描いたマンモスや古代魚その他の古代生物の画風がいかにも野性味にあふれ荒々しくて好きだというファンは日本にも大勢いる。1960年〜1070年にかけて米国で大流行した西部劇漫画のスケッチの多くはブリアンの作品であった。

 次ぎはシュトゥラムベルクの広場。この広場は珍しく傾斜をそのまま利用してまわりにバロック建物が囲んでいる。昼の三々五々先生に付き添われて多くの生徒たちが遊んでいて賑やかだった。傾斜の広場には出店がならんでいる。夏の光景である。
傾斜の高いところにあるシプカホテルのテラスで食事した。ここではラデガストというブランドのビールを飲んでこのあたりで古代に信仰された神を一人思ったが、それは明日書くつもりにして、食事の注文を集めなければならない。
 田舎のレストランはたいていサービスする人が一人かせいぜい二人で、昼食時に賑わっている場合には注意が必要だ。というのは、食事にありつけるまでに時間がとてもかかるからだ。分かっていても仕方ないもので、ご婦人方がメニューから食事を決めるのに時間が要り、そして注文してからウエイトレスが注文した料理が運ばれるのにずいぶんと時間がかかってしまった。