ウシという名物お菓子

 広場のお店をのぞく。シュトゥラムベルクの名物は,チェコ語で「ウシ」というお菓子だ。「ウシ」は耳という意味で,むかしモンゴールのタタール軍が攻め入ったときこちらの武士を殺して耳を戦勝の証として持ち帰ったが、後年人の耳を形にした煎餅がこのシュトゥラムベルクで製造販売されるようになった。シュトゥラムベルクだけで作られているという。味はせんべいと同じでシナモンの味付け。お土産にウシを求めた。

 13世紀のタタール軍猛攻は欧州中を震え上がらせた。欧州の武士は重たい甲冑に身を包み長い槍を使って戦っていたが,タタール人は馬の扱いがうまくすぐれた馬具をすでに使っており両手で弓矢を放しながら駆けめぐったから,こちらの甲冑武士は戦いにおいては歯が立たなかった。それを神の奇跡でどう猛なタタール軍をヨーロッパからアジアに追いかえしたという物語が,この地方では口承伝説としてどこでも残っている。この話も明日記録したい。