シュトゥラムベルクのお城の搭は筒

 シュトゥラムベルクの城跡では休憩するまもなくタワーに上った。この天空にそびえ立つタワーは「筒」という愛称がある。「筒」最上階からながめる山間の景色はなかなかいい。

スロバキアとの国境はどこも山がちだがシュトゥラムベルク周辺もまた山がつながる森林である。森林の丘にかって戦闘目的のシュトゥラムベルク城があった。戦争に明け暮れた地方であった。スロバキアというと「チェコスロヴァキア共和国」というイメージがあっていまだにチェコスロバキアをひとつの国家と思う外国人が多い。歴史的じじつはイメージとはかなり異なりスロバキアは1000年もの長きにわたりハンガリー支配下にあった。
たまたまという感じで,1918年に西スラブ民族の隣接する地域である両国がまとまって独立を果たしたのだった。第二次大戦ではドイツにより分断され,戦後に再び「チェコスロヴァキア」となったが,自由化後まもない2003年に二国に分裂した。その様な事情があって,隣接するスラブ民族の国家であるが,これらの二つの国には国境というものが存在してきた、しかもその国境の歴史は長い。
「筒」とよばれるタワーは国境の見張塔であった。

この紀行文にこれから何回か登場するモラヴィア史上たいせつな名門ジェロチーン家もこのお城を所有したことがあった。
チェコ領土がオーストリア帝国に支配された時代、この山ぶかい天然の要塞は帝国の国境警備の町であった。山の頂に聳え立つ「筒」がその名残である。
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