大自然

ジュラチャン氏の開発途上な土地を本人に案内してもらった。鬱蒼と茂る山林の湿った地表にぽっかりとあいた露天の洞穴を指し示されるまま上からのぞいて観察してみたら、表面が軟らかそうな成長している岩石というものがあった。自然が今の瞬間生き続けているそんな場面を見てわたしたちは感激してしまった。唖然としてしばらく眺め続けたが、それは日常生活には見当たらない神秘な自然界の息吹だった。これから調査を進めるという。


氏の山林には他に洞窟が二つある。開発を始めたばかりで水溜りがあちこちにある、湿った大地の足もとには、まだ電灯も準備していないから歩き進むのが恐ろしくなるような野性味に富んだ真っ暗な自然穴だ。フクロウを恐ろしがった妻もついつい迷路に誘われて奥に奥にと突き進む。大小の空間がすでに発見されている。迷路の中の一所では、なんと大きな水がめがあり緑の水が眠っているではないか。どれほどの深さなのか、地下水はどれぐらいあるのか、なにもかもこれから調査するのだとジュラチャン氏が語る。
恐る恐る進んだ。目の前につららの格好が現れた。何万年もすれば石柱となるのだろう、その若くて成長している洞窟天上からぶら下がっている物体の下端から一滴しずくが落ちるのをタイミングよく見た!! 触ってみた!! 冷え冷えとした大自然のなかで、悠久の時を味わった瞬間であった。

氏は洞窟の水を銅管で引くスパーを建設中だ。塩素系ナトリウムを多く含む水は、テプリツェのスパーの水と同質なのだ。